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2019-02-13

特別講座 2019.2.9(土)法華経特集  木村良勢師

木村先生には、膨大な内容のお経の解説を、都合4時間でお話していただきましたが、整理して御伝えくださったため、とてもわかりやすかったです。おかげさまで私自身も、法華経への関心がぐっと深まりました。

第1部の「法華経入門」講座では、以下のようなことを教わりました。

・サンスクリット名(正しい教えである白蓮のお経)
・写本の種類(多数の言語に訳され、漢訳16種類中、完訳が3種)
・日本での展開(聖徳太子の注釈書~護国経典として読誦される・法華経の功徳を説く八講の隆盛・~鎌倉時代の日蓮上人のお題目信仰~戦国時代以降の過激派の活動~江戸期の檀林など)
・法華経で説かれる教えについて。時空や時代を越えた「久遠の仏」、経典崇拝、現世安穏、一乗仏。

お経が15章でダイナミックな展開を迎え、それまでに釈尊に称賛されていた諸仏諸菩薩や縁覚、声聞らを超える存在として「地涌の菩薩」が現われること、その菩薩の使命は法華経を広めること。それは現世で一念三千(一念で世界を救う)を実践すること…ということで、天台教学の「一念三千」についてもご解説をいただきました。

また第2の法話会では、法華経の中でもっとも有名な25章の「観世音菩薩普門品」(単独で「観音経」としても扱われる)の意義についてお話をいただきました。法華経には仏菩薩による救済の話が多く登場するそうですが、SF的な抽象的なお話が続いていく中で、この章で始めて具体的な人間界での救済が説かれることから、非常に篤く信仰されているお経となっています。

観音経では「一心にお名前を称えることで救われる」として多様な苦難の救済や願望に応える存在として観音が描かれていますが、信に依って救われるとしても、最初の一歩は自分で踏み出さなくてはならない、という木村先生の御言葉が心に残りました。

参加者の皆様にも「面白かった」「また聴きたい」というご感想をいただきました。

またぜひ開講したく思います。3,4名以上のグループ単位での開講リクエストをいただければ確実に開講できます。リクエストお待ちいたしております。
(文責 加藤)

木村良勢 (きむらりょうせい )師プロフィール

奈良県桜井市法栄寺住職。
柳本伊佐雄教授に師事、身延山大学仏像修復室・国際日蓮学研究所研究員。
文化財保存修復学会会員。ラオス国 ルアンパバン世界遺産修復プロジェクト研究員

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