3回集中講座~コード(暗号)から読み解く密教
新形コロナウィルスの 影響により、この講座は1回目で中断いたしました。機会をみて開講を再検討いたします。
以下より、講座の御案内です。
弘法大師空海は『般若心経秘鍵』において顕教と密教との違いは経典それ自体ではなく、聞き取り学ぶ側の問題であると述べています。「コード(暗号)」すなわち「秘鍵」によって秘められた教えを紐解き理解することが密教の立場というわけです。本集中講座では、これまであまり注目されてこなかったこの「秘鍵」に注目し、曼荼羅・密意語・真言を紐解くための手がかりを探っていきます。日本・チベットそれぞれの事例・作例を通じてインドにおける密教の源流を辿ります。
講師:菊谷竜太(きくや りゅうた)先生(3回とも)
【第1回】曼荼羅を解く~見えざる秘密と見えている秘密
2020年2月22日(土)18:10~20:30 開場18:00 司会:亀山隆彦(かめやま たかひこ)先生 ※終了いたしました。
【第2回】密意語を解く~知られざる教え・密意語に隠された謎
新型コロナウィルスの影響により、開講未定
【第3回】 真言を解く~陀羅尼・真言のコード(秘鍵)を解く
新型コロナウィルスの影響により、開講未定
【本講座について】
『コード(暗号)から読み解く密教』とは、どのような意味なのか?どんな講座なのか、内容の想像がつかない方もいらっしゃるかと思いますので少し補足させていただきます。
インド・チベットにおける密教の修行過程では、師から弟子に教えを伝えるにあたり、安全に教えを管理・保全するための言わば秘密保持のための コード(暗号)が用いられました。現代で言うならば、会員制のサイトを閲覧するためにIDとパスワードを入力することが必要…というようなことに似ているかもしれません。そのIDとパスワードは、密教理解の為のコード(暗号・鍵)=秘鍵(ひけん)とされ、「曼荼羅」「密意語」(密教の立場からの経典解釈)「真言」それぞれの修学の場で用いられ、師資相伝によって後世に伝えられていきました。
本講座はこの「秘鍵」に注目した3回連続講座です。講師の菊谷竜太先生(京都大学白眉センター特定准教授・インド・チベット仏教学)が研究者の立場から、曼荼羅・密意語・真言を紐解くための手がかりについて考えていきます。
また毎回、司会の先生の進行によるフロアとの議論も行っていきます。
一回目2/22の司会は日本密教の研究をご専門とする亀山隆彦先生(龍谷大学非常勤講師)(予定通りに開講し終了しました)・二回目・三回目の司会は、サンスクリット文法学の研究をご専門とする川村悠人(かわむら ゆうと)先生(広島大学大学院准教授)です。
毎回の講座とも司会の先生とのセッションを取り入れることで、講座の内容を理解・確認するのに大いに役立つだけでなく、有意義な議論の場になると存じます。多くの皆様のお越しをお待ちしております。
【講師・司会者紹介】
講師の菊谷先生は、学生時代にインドからチベットへの文化的伝達について関心をお持ちになり、専門領域は8~12世紀頃に活躍したアバヤーカラグプタ(インドのナーランダー寺・ヴィクラマシーラ寺の学頭だった) らによって書かれた文献の研究です。彼らがインド仏教滅亡前にヒマラヤ世界へ伝えた「知の結晶」の中で、特に胎生・臨終に関わる曼荼羅理論に注目され、解析を進められてきました。現在はアバヤーカラグプタによって纏められた百科事典的注釈書『アームナーヤマンジャリー』の校訂・訳注研究をされており、ハンブルク大学と連携しインド・チベット術語集成の構築を目指されています。
1回目の司会・亀山隆彦先生は、2019年4月に当サロンで「真言密教VS天台密教」をテーマに講義をされました。>>2019.4.14(日)真言密教VS天台密教 亀山隆彦先生
2回目・3回目の司会・川村悠人先生は、2019年9月21日に「名の力と真言~その源流を求めて」をテーマに講義をされました。>>2019.9.21(土)名の力と真言~その源流を求めて
本講座は密教をもっと知りたい方、顕教と密教の違いを知りたい方、各国の密教文化の比較をされたい方、ヴェーダ祭祀の思想と密教の関係について考察したい方などにとって、大いに興味深い催しになると存じます。多くの方のお越しをお待ちしております。(仏教サロン京都 加藤)