マントラ合戦ー中世インド世界における密教徒vsシヴァ教徒 ネタばらし
ターラナータ(1575–1634)の『インド仏教史』には、しばしば『「大自在天(シヴァ)」のマントラに卓越したもの(人々)』という言い回しが登場します。かれらはときに仏教徒に論戦を挑み、ときには呪術をもって対峙しました。
ターラナータが伝えるそうした仏教徒と非仏教徒とのエピソードのひとつに、玄奘三蔵も学んだナーランダー僧院が二人の非仏教徒によって焼かれた、というものがあります。乞食に訪れた二人の外教徒が粗暴な沙弥に冷たくあしらわれ洗濯したあとの水を浴びせられ、あげく獰猛な犬をけしかけられてしまいます。そのことを不快に思った彼らは報復のためさまざまな苦難のすえ呪術的なちからを手に入れ、護摩を焚いた灰に真言を息を吹きかけるやいなや、灰は自然と舞い上がり、あちこちに飛び散った灰は自然発火し、ナーランダーの三つの大きな伽藍をことごとく焼き尽くしたと伝えられます。
このストーリーの面白いところは、そのときどのような聖典が失われ、そしてどのように失われた聖典の復元とともにナーランダーが復興したかというところにつながっていく点です。
さて、それについてはほかのエピソードとともに本講座で詳しく扱いますのでしばしお待ちを。
(講師による紹介文)
講座当日は、上記の分を含めて全部で3本のストーリーをご紹介します。受講希望の方はメールでお申し込みください。締め切りは講演の前日、5月19日(金)の20時までとさせていただきます。メールに「マントラ合戦 受講希望」とタイトルをつけて、1)お名前 2)来場希望かオンラインか 3)学生の方はそう書いてください。2,500円→2,000円になります。ただし申し込み受付以降、学生証以外で証明するものの写真が必要になります。 5)携帯のお電話番号 6)連絡先メールアドレス をご記入し、メール送信してください。折り返し、仏教サロン京都よりお振込み・会場等のご案内を送ります。開講直前にお申し込みの方は、後払いで結構です。
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