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2022-01-22

坪田さより先生 プロフィール

大阪大学大学院文学研究科博士後期課程,日本学術振興会特別研究員DC2

専門はヴェーダ学(古代インド祭式学)。幼少期より,「信じていないのに参加するのが当然である」「道徳的である」とされる神社参拝や仏事に対する居心地の悪さがあった。しかし,高校生の時,宗教学という分野に初めて触れ,宗教の目に見える形式と,その背景にあって目に見えない信仰心・思想との関連,さらにそういった思想が社会構造や歴史の流れに如何に影響を与えてきたかを知り,宗教の重要性を垣間見た。大阪大学文学部に入学後,古代インドのヴェーダ文献が,宗教の中でも特に古い言語・思想を今に伝えていることを知り,インド哲学専修を選んだ。ヴェーダ文献において亀を表す代表的な語クールマの用例を調査し,祭式における亀の役割を論じた卒業論文「古代インドにおけるkūrma『亀』」で第4回中村元東洋思想文化賞を受賞。同大学博士前期課程に進んでから現在までは,近年新たな写本が発見された祭式手順書『ヴァードゥーラ・シュラウタスートラ』のうち,古代インドの王権儀礼ヴァージャペーヤについて扱った章を研究し,灌頂・献供といった具体的な祭式所作(形式)と,王権の強化や死後の安寧といった儀礼の意義との関連を検証し,儀礼の背景にある思想を探っている。

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