3回連続講座 頓悟と漸悟‐チベットにおけるサムイェーの宗論
10月14日・12月16日・2024年1月20日(すべて土曜)14:00~16:00
ハイブリッド講座。オンライン(35名まで)会場受講:12名締め切り。場所は仏教サロン京都事務所、最寄り駅は京阪京都線・神宮丸太町駅です。1回目(10/14)2回目(12/16)については録画を送ります。
本講座は、8世紀のチベットで行われた「サムイェーの宗論」を手がかりに、「頓悟(とんご)」と「漸悟(ぜんご)」という仏教の核心部分について、これまでにない密教をも射程に入れた切り口でその実態に迫ろうとするいささかチャレンジングな企画です。
すなわち、仏教の長い歴史のなかで、さとりは即座にあらわれるものとする頓悟の立場と、段階的な修行の末に到達するものであるという漸悟の立場とがありました。「頓悟」と聞くとなんだか聞き覚えがないかもしれませんが「頓知(とんち)」と聞けばピンと来ますよね。一休さんのように誰しも唾を指であたまに付けたりはしませんが、瞑想状態に入って一種の「ひらめき」を得る、というのは共通しています。さて、一方でさとりを得るのに膨大な時間を要する漸悟の立場が、自己の修行ばかりを求めて利他を欠くとしばしば批判されたのに対して、頓悟の考えかたは、悟っている状態とそうでない状態とが表裏一体という点で、ややもすれば修行不要論になりかねない危険性も孕んでいました。
第1回目の講義では「頓悟」がもつこの危うさについて「白き万能薬(dkar po chig thub)」という術語に注目し、インドにおいて培われた「マハームドラー(大印)」の教えが「頓悟」と「漸悟」の議論に深く関わっていることを指摘しました。「白き万能薬」は本来は薬物用語ですが、そこから「たったひとつの修行法だけしてれば良い」という極端な修道論を指すものへと変わっていきました。実はこの思想はインドにおいて「シッダ(成就者)」と呼ばれる聖者たちの活動と密接に関わるものです。
第2回目となる今回の講義では、もっぱら「漸悟」について注目します。ラトナーカラシャーンティと呼ばれる10世紀ごろのインドの大学者の著作を中心に、漸悟におけるヨーガの修行階梯を取り上げ、その大乗的な修行階梯が密教の体系においてどのように位置づけられるのか、実際の原典とそれにもとづいた翻訳にもとづきながら確かめていきたいと思います。 一般的に「サムイェーの宗論」は非常に高度な哲学論争であると思われがちですが、政治的な側面も強く、対論者同士のことばの壁もあったとされ、実態はまだまだなぞに包まれています。この講座を通じてすこしでもインド・チベット世界への興味がひろがったらとても嬉しいです。(講師の菊谷竜太先生より)
≫本講座1回目の切り抜き動画です(9分26秒)ご受講の参考にしてください。
本講座2回目の切り抜き動画です(13分31秒)ご受講の参考にしてください。
お申し込み締め切りは最終講座日前日の2024年1月19日まで。終了分については講座の録画を送ります。お申込み先は下記をご覧ください(下までスクロールしてください)。
受講料(3回まとめて)一般8,000円 僧侶7,500円 学生6,000円
3回とも見逃し配信付き、すべての録画が2024年2月上旬まで繰り返しご覧になれます。
講師:菊谷竜太先生(高野山大学文学部 密教学科 准教授)本講座は、ボランティアにてご登壇くださいます。
メールでお申し込みください。オンラインは35名定員、会場受講12名を定員とさせていただきます。お申し込み締め切りは最終講座前日の2024年1月19日まで。お申込み段階ですでに終了している講座については録画を送ります。
メールに「サムイェーの宗論 受講希望」とタイトルをつけて、1)お名前 2)オンラインか会場受講か 3)会場受講の場合は10月14日・12月16日・2024年1月20日のうち、希望日を書いてください。4)携帯のお電話番号 5)連絡先メールアドレスをご記入し、メール送信してください。折り返し、仏教サロン京都よりご案内を送ります。
受付メールアドレス tennyodo※ac.auone-net.jp(仏教サロン京都)※を@に変えてください。
問い合わせ先:080-5641-1076 加藤(毎日21時まで)